小学5・6年生のSTEM教育 具体的な取り組み事例

TEM教育の専門家として、現在の小学校高学年(5・6年生)で行われている最新の教育実践事例をご紹介します。

この時期のSTEM教育は、単なる知識の習得だけでなく、「プログラミング(Technology)」「算数(Mathematics)」「理科(Science)」を掛け合わせて、現実社会の課題をどう解決するか(Engineering)という探究型学習が中心です。

■小学校5年生:法則の理解と制御

5年生では、理科の動植物の観察や算数の図形・割合の学習をベースに、「条件を整えて制御する」感覚を養う事例が多く見られます。

1.自動水やりマシンの開発(理科×技術): 「植物のたんじょう」の学習に関連し、土壌水分センサーとマイクロコンピュータ(micro:bitなど)を組み合わせて、土が乾いたら自動で給水するシステムを構築します。

2.正多角形のプログラミング作図(算数×技術): 「正多角形と円」の単元で、プログラミング(Scratch等)を用いて正確な図形を描きます。外角の概念を使い、 360÷nの計算(nは辺の数)をプログラムに組み込むことで、数学的規則性を学びます。

3.振り子の法則とデータ解析(理科×算数): 「振り子の運動」において、おもりの重さや振れ幅を変えながら実験し、表計算ソフトを用いてグラフ化。周期の規則性を導き出し、予測値と実測値のズレをエンジニアリングの視点で分析します。

■小学校6年生:社会課題の解決とエネルギー

6年生は、より高度な電気の活用や、持続可能な社会(SDGs)を意識した「エンジニアリング・デザイン」に重点が置かれます。

1.スマート・エコハウスの設計(理科×技術): 「電気の利用」の単元で、人感センサーや光センサーを活用し、「人がいない時は消灯する」「暗くなったら点灯する」プログラムを作成。無駄なエネルギー消費を抑える仕組みを、家に見立てた模型で実現します。

2.プログラミングによる歩行者信号の制御(技術×社会): LEDとスピーカーを使い、実際の信号機の挙動(青の点滅、音の合図)を再現します。ただ光らせるだけでなく、「視覚障害者の方が安全に渡るには?」というユーザー視点の改良を加える工程が含まれます。

3.防災シミュレーションとハザードマップ作成(社会×理科×技術): 土地のつくりや変化を学んだ後、地域の地形データをデジタルマップ上で分析。土砂崩れや浸水のリスクをシミュレーションし、どのような対策(堤防の高さや避難経路)が必要かを工学的な視点で議論します。

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